経営方針
社長メッセージ

当連結会計年度(2023年11月1日から2024年10月31日)におけるわが国経済は、ウクライナ情勢の長期化に加え、中東情勢の緊迫化、不安定な為替変動などにより、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。外食産業におきましても、物価高による外食控え、仕入れ価格や人件費の上昇等、厳しい環境が続いております。このような状況のもと、当社グループは、抗菌寿司カバーやお客様が入れ替わるごとに醤油差しなどの備品を入れ替えるクリーンテーブルなど安心・安全に関するさまざまな取り組みを行いながら、「ビッくらポン!」や大手回転寿司チェーンの中で唯一、回転レーンでお寿司を提供しているエンターテインメント性を大切にし、回転寿司本来の手軽さと楽しさを追求してまいりました。店舗開発につきましては、国内11店舗、米国14店舗、アジア5店舗の計30店舗を出店いたしました。この結果、当連結会計年度末の店舗数は、全て直営で677店舗(「無添蔵」4店舗、「くらおさかな市場」1店舗、米国64店舗、アジア61店舗を含む)となりました。
セグメント業績は次の通りであります。
①日本
日本国内におきましては、当社の強みである「まぐろ」「かに」など質の高い商品を中心にしたフェアの展開、TV放送開始から25周年となる人気アニメ「ONE PIECE」など話題性の高いコンテンツとのコラボ企画の実施により、売上高は好調に推移いたしました。また、当社の強みである現場力を生かし、経営と現場が一体となって、個々の商品ごとにきめ細かな商品設計を適宜行うことで、原価率の低減に努めました。タッチパネルの更新など次年度以降を見据えた戦略的な先行投資も実施いたしました。この結果、売上高1,742億73百万円(前年同期比6.2%増)、経常利益65億69百万円(前年同期比375.5%増)となり、大幅な増収増益となりました。
②北米
米国子会社 Kura Sushi USA,Inc.(KSU)におきましては、米国経済の減速で同国内の多くの外食企業が影響を受けている中、コラボ企画などを展開し売上高は回復傾向にあるものの、売上高、利益ともに軟調に推移いたしました。一方で、積極的な新規出店は継続的に実施し、ニューヨーク州スミスヘブンモール店など14店舗となりました。この結果、売上高358億66百万円(前年同期比38.1%増)、経常損失10億41百万円(前年同期は経常利益2億47百万円)となりました。
③アジア
台湾子会社 亞洲藏壽司股份有限公司(KSA)におきましては、日本でも大変話題となった「ちいかわ」とのコラボ企画などによりお客様に大変ご好評をいただきました。また、沙鹿中山路店、頭份運動公園店など5店舗を新規出店いたしました。一方、組織強化のための投資に加え、人件費や光熱費の上昇による影響を受けました。この結果、売上高251億26百万円(前年同期比16.5%増)、経常利益9億15百万円(前年同期比37.5%減)となりました。
なお、当連結会計年度において、日本・北米・アジアにつきましては減損損失を計上しております。当社グループの保有する固定資産のうち、収益性の低下がみられた店舗について、将来の回収可能性を検討した結果、帳簿価額を回収可能価額まで減額いたしました。日本におきましては、11億99百万円、北米におきましては、2億34百万円、アジアにおきましては3億14百万円の合計17億48百万円の減損損失を特別損失に計上しております。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高2,349億50百万円(前年同期比11.1%増)、経常利益62億24百万円(前年同期比115.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は32億26百万円(前年同期比273.7%増)となり、大幅な増収増益となりました。
株主・投資家の皆様には、一層のお引き立てを賜りますようお願い申し上げます。