漁業の持続可能な発展のために、新規就業者確保への支援
「出世U王 未来の漁師誕生!次世代型、漁業就職フェア!」に協力
全国漁業就業者確保育成センターへの寄付金を一部活用し、2022年3月5日(土)大阪にて開催
回転寿司チェーン「くら寿司」を運営するくら寿司株式会社(代表取締役社長:田中邦彦、所在地:大阪府堺市)は、漁業の持続可能な発展に貢献するため、昨年度に続き、「循環フィッシュ」(※)の売り上げの一部を一般社団法人全国漁業就業者確保育成センター(代表理事会長:小坂智規、所在地:東京都港区)に寄付いたしました。この寄付を一部活用し、同センター主催、株式会社マイナビ(代表取締役社長執行役員:中川信行、所在地:東京都千代田区)による企画・運営で、2022年3月5日(土)、「出世U王(うおう) 未来の漁師誕生!次世代型、漁業就職フェア!」が大阪で開催されます。
国内の漁業従事者は、不安定な収入と労働環境の厳しさなどが一因で若者の漁業離れを招き、減少傾向にあります。こうした中で、漁業の持続可能な発展は喫緊の課題であり、SDGsでも目標の1つに掲げられています。
当社は、限りある海洋資源を守るとともに、国内の漁業者の皆さまとの共存共栄を目指す「天然魚プロジェクト」を2010年から開始。天然魚の有効活用や低利用魚の高付加価値化、年間契約制度「一船買い」など、漁業者の皆さまと協力し、様々な取り組みを行っています。また、2021年11月には、業界初の水産専門会社として子会社「KURAおさかなファーム株式会社」を設立。AIやIoTを積極的に活用した「スマート養殖」による作業の効率化と漁業者様の収入の安定化に向け、新たな取り組みを開始しました。
こうした漁業創生に向けた取り組みの一環として、昨年度に続き、「循環フィッシュ」(※)の売り上げの一部である約350万円を全国漁業就業者確保育成センターに寄付いたしました。
全国漁業就業者確保育成センターは、漁業の新規就業者を発掘するため、就労に関する情報提供や新たな漁業の担い手を確保・育成することを目的に活動しています。その一環として、新規漁業者を求める漁協や漁業団体と漁業就業希望者とのマッチングを図る「漁業就業支援フェア」を定期的に行っています。今回は初めて、同センターがマイナビとタッグを組み、「出世U王 未来の漁師誕生!次世代型、漁業就職フェア!」を開催します。当フェアでは、漁業就業希望者が自分の特技・個性や漁師になりたい熱き思いを漁業団体へアピールし、指名をもらうことで、交流やお互いの情報交換などのステップに進める、従来の漁業就業支援フェアとは一線を画した「逆求人型」のマッチングイベントです。漁業就業希望者は自分の能力が生かせる団体と出会うことができる一方、出展者は興味のある就業希望者と直接交流ができることが魅力です。両者にとって、的確なマッチングを実現させることが期待できます。
今後も当社は、多くの魚介類を取り扱い、飲食インフラの一端を担う企業として、漁業の持続可能な発展のため、漁業創生の取り組みをこれからも推進してまいります。
(※「循環フィッシュ」…国産天然魚の骨やアラなど商品化しにくい部位を魚粉に加工し、餌に使用する魚粉の一部として活用して育てた魚)
■イベント開催概要
【日程】
2022年3月5日(土)10:30~17:00(開場 10:00~)
(就職希望者向けのオンラインセミナー 1月28日(金)・2月12日(土)開催予定)
【場所】
グランフロント大阪31階 南館タワーA(大阪府大阪市北区大深町4-20)
【内容】
漁業への就職や転職を悩んでいる方の不安や疑問を解消し、参加者が「漁師になる」という新たな選択肢をより鮮明に描けるよう、「知る×学ぶ×出会う」3つの異なる体験型イベントを開催します。
【参加費】
無料
【応募方法】
WEBサイト内、申込フォームより事前申し込みをお願いします。
URL:https://shusseuou.jp ※イベントに関する詳しい情報や最新情報はWEBサイトをご覧ください。
【主催】
一般社団法人全国漁業就業者確保育成センター
【後援】
水産庁
【協力】
くら寿司株式会社
【企画・運営業務全般】
株式会社マイナビ
■「循環フィッシュ」と寄付の概要について
循環フィッシュとは、仕入れた魚をすべて使用する「さかな100%プロジェクト」から生まれた商品で、国産天然魚の骨やアラなど商品化しにくい部位を魚粉に加工し、餌に使用する魚粉の一部に活用して育てた魚です。「みかんサーモン」や「みかんぶり」などをこの取り組みの商品として、お客様に提供しています。
養殖用の餌は価格の高止まりが続いており、養殖業に携わる方々の経営を圧迫する要因となっていますが、この取り組みによって、餌のコストダウンを実現することができています。これにより得た収益の一部を、新たな漁業就業者確保のために全国漁業就業者確保育成センターに還元しています。
私たちが魚を食べることができるのは、漁業に携わる方々がいてくれるからこそであり、漁業就業者の減少と高齢化が進む中、漁業の担い手確保の一助となればと考えています。
■くら寿司の「漁業創生への取り組み」
○天然魚プロジェクト(2010年~)と一船買い(2015年~)
子や孫の代まで、日本の魚が食べられる未来を創造し、漁業者様との共存共栄を目指す当プロジェクトでは、全国110か所の漁港・漁協様と直接取引をし、新鮮な魚を仕入れています。2015年、定置網にかかった魚を丸ごと買い取る「一船買い」を開始し、現在3か所で年間契約を締結。今後も取引先を広げていく計画です。一船買いは、定置網で獲れた魚を重量に応じて年間契約で決めた価格で買い取るため、漁師さんは市場価格に左右されずに、また、あまり流通していない市場価値の低い魚でも引き取ってもらえるメリットがあります。一方、当社にとっては、豊富な魚種を安定して仕入れることができます。漁師さんには、収入の安定という形で還元できる仕入れ方法といえます。
また、美味しいにも関わらず、あまり市場に出回っていない低利用魚の活用も進めています。例えば、ハワイでは「マヒマヒ」と呼ばれる「シイラ」や汽水域に生息する「ボラ」などです。当社の充実した加工体制や商品開発のノウハウを生かし、商品化できたことで、それまであまり値が付かなった魚の付加価値が高まり、漁師さんに還元することができています。
○さかな100%プロジェクト(「循環フィッシュ」の販売)(2018年~)
くら寿司が仕入れた国産天然魚の商品にできない部位を魚粉にし、養殖魚のエサの一部に活用。このエサに柑橘類のオイルや皮などを混ぜて養殖し、「みかんぶり」や「みかんサーモン」などの「フルーティーフィッシュ」として販売しています。養殖用エサは価格高騰が続き、生産者の方々の負担にもなっていますが、この取り組みによってエサ代のコストダウンにも成功。その結果、売上の一部を漁業の担い手確保や育成に取り組む団体に寄付しています。
○天然魚魚育(うおいく)プロジェクト(2019年~)
市場に出荷しても値が付きにくい定置網にかかったハマチやタイの未成魚を、養殖用の生けすで寿司ネタにできるサイズにまで畜養。限りある海洋資源の保全と、商品の高付加価値化による漁師さんへの還元につながる取り組みです。
○「KURAおさかなファーム株式会社」設立(2021年11月)
漁業の持続可能な発展と魚の安定供給を図るため、くら寿司の子会社として設立。主な事業内容は、国際的基準を満たしたオーガニック水産物として日本で初めて認証取得した「オーガニックはまち」の生産と卸売、そして、人手不足と労働環境改善を目指し、AIやIoTを活用した「スマート養殖」です。スマート養殖では、外部の生産者の方々へ養殖を委託し、同社が中長期契約で全量買い取りすることで、生産者の方々の収入安定化を図ります。これらを通じ、グループ内で生産から販売まで一気通貫の体制を構築し、安定した供給量確保とコスト管理を実現することで、お客様により高品質でリーズナブルなお寿司の提供を目指します。また、生産者の方々や漁協とも連携し、収益機会の提供と労働効率の改善を通じて、「若者の漁業就業」や「地方創生」への貢献にも取り組みます。