回転寿司チェーン「くら寿司」を運営するくら寿司株式会社(代表取締役社長:田中邦彦、所在地:大阪府堺市)は、今期となる27期の事業戦略として、「スシテナブル」を採用、この実現に向けた「6つのチャレンジ」を推進します。コロナ禍においても黒字決算で終えることになった26期は、「安心・安全」、「くら寿司でしか味わえない、楽しめない体験価値」などの提供が好調の要因である、と分析しております。来年以降もコロナ禍は続くと推測されますが、経済復興に向けた試みも同時に進むと期待しています。
この環境下で継続的な成長を続けるためには、常に変化する社会情勢とお客様のニーズに対して、迅速かつ柔軟に対応していくことが必要であると考えます。その実行に向けて、新戦略「スシテナブル」を策定。当社の普遍的な価値である「安くて美味しいお寿司の永続的な提供」を通じて、継続的な成長の実現を目指します。この新戦略を具現化する施策として、「6つのチャレンジ」を進めてまいります。
「スシテナブル」チャレンジ①新たなユーザー層の獲得
大手外食チェーン初“Z世代”向け店舗「くら寿司 原宿店」オープン&スイーツメニュー強化
当社が現在、最も注目しているターゲットが、1990年代後半に生まれた、10代から26歳になる「Z世代」と呼ばれる方々です。アメリカでは総消費の40%以上をZ世代が占めるとも言われていますが、日本においても、外食意欲が高く、情報拡散に積極的な世代であり、流行や消費の担い手になると期待されています。今後、コロナ禍の沈静化とともに、Z世代の方々が「リベンジ消費の担い手」になると期待しており、「来店したくなる店舗作り」はその受け皿として必要不可欠です。
その到来に先んじて、大手外食チェーン初“Z世代”向けとなる、グローバル旗艦店「くら寿司 原宿店」を2021年12月9日(木)にオープンします。同店舗は“世界一映える寿司屋”を目指し、日本を代表するクリエイティブディレクターの佐藤可士和氏がプロデュース。インテリアデザインのコンセプトは、「日本の伝統文化×トウキョウ・ポップカルチャー」。様々な色に光る「カラフル提灯ウォール」や近未来的な「スイーツ屋台」、巨大浮世絵からロゴウォールまでフォトスポットが満載のデザインです。また、障子を閉めることで個室になるボックスシート、東京タワーやスカイツリーなどの眺望が楽しめるテラス席「バルコニー飲食スペース」、さらに原宿の街並みを見ながらお食事できるスタンド席を初めて設置しました。
また、メニューも「ここでしか食べられない」ものの提供を目指し、「大手回転寿司チェーン初」となるクレープマシーンで、本格導入としては世界初となる「2色2層のクレープ生地」を実現。美味しいはもちろん、可愛くて「映える」商品を、リーズナブルな価格でご提供します。
「原宿店」以外の全国のくら寿司でも、「Z世代対応」を意識した大型のコラボを実現。沖縄のアイスブランドとして人気の「ブルーシールアイス」を2021年12月9日(木)より、全国のくら寿司店舗にて販売します。第一弾「シークヮーサー」、「紅イモ」、「塩ちんすこう」を皮切りに、様々な種類を販売する予定です。
シークヮーサー
紅イモ
塩ちんすこう
「スシテナブル」チャレンジ②お寿司の安定供給
業界初の水産専門会社「KURAおさかなファーム」設立&初の「原魚」卸売開始
日本の「魚食文化」を取り巻く環境は、この数十年に渡り、悪化しています。世界的な魚食ブームを受けて、「生鮮魚介類の価格」は2010年からの10年で約1.3倍となっています。その中でお寿司に欠かせない、まぐろ、いくら、かに、うになどの輸入水産物が特に高騰しています。一方で国内の漁業従事者の中には「不安定な収入」と「労働環境の厳しさ」が原因となり、「若者の漁業離れ」を招くなど、担い手不足に悩むケースも多く見られます。
当社は2010年より「漁業創生」をテーマに、日本の水産業の活性化へ向けて、様々な活動を行っています。その新たな取り組みとして、2021年11月1日(月)、業界初の水産専門会社である子会社「KURAおさかなファーム」を設立。AIやIoTを積極的に活用することで、漁業者の皆さまの作業負担の軽減と、より効率的な養殖、そして「収入の安定」、さらには、水産業のデジタル化により、生産地域の活性化にもつながる取り組みを目指します。
この活動の第一弾として、同社が今年から養殖を手掛ける、国内初のオーガニックフィッシュ認証を受けた「オーガニックはまち」を、2021年12月9日(木)より全国のくら寿司で販売。また同時に、当社初の「原魚」の卸売として、一部小売店での販売を開始いたします。
「オーガニックはまち」は、①飼料製造、②育成環境、③加工管理の3つの観点から厳格に審査され、国際的基準を満たす日本初のオーガニックフィッシュとして認証を取得しました。
「特大切りオーガニックはまち」220円
※一部店舗では価格が異なります
「オーガニックはまち」の身質には、調査の結果、疲労感や日常生活の体調の改善が期待できるといわれている「オルニチン」が、通常の天然のはまちと比べて、3倍以上の結果を示しました。
※株式会社総合水研究所2021年10月調べ。天然はまちとの比較数値。
「スシテナブル」チャレンジ③国内出店戦略
「都心駅前」への出店加速&拡大
昨年度よりこれまでの主要出店エリアである「ロードサイド」以外に、全国の「都心駅前」への出店を開始。2021年1月オープンの「渋谷駅前店」、「西新宿店」を皮切りに、30店舗中、14店舗を都心駅前に出店しました。結果として、広く沿線各地からの来店や、アルコールメニューの注文増加など、郊外店とは違った手ごたえを感じています。今期も30店舗の出店を予定、同程度の割合で「都心駅前」への出店を目指します。
「スシテナブル」チャレンジ④海外出店戦略
アメリカ・台湾における「積極的な出店」の継続
昨年度、アメリカ7店舗、台湾11店舗と、合計で18店舗を出店。コロナ禍においても、海外で積極的な出店を進めています。いずれの新店舗でも多くのお客さまに支持され、順調な立ち上がりとなっています。2023年中の「海外で100店舗」の実現を目指し、今期も積極的な出店を継続します。
※2021年12月8日現在 海外店舗75店舗(米国:33店舗、台湾:42店舗)
「スシテナブル」チャレンジ⑤コロナ対策
「スマートくら寿司」全店舗導入による、「コンタクトレス」の実現&安全・安心のさらなる追求
2020年11月に導入を開始した「スマートくら寿司」は、2021年中に全店舗への導入を完了します。
全国のくら寿司店舗で、入店から退店までの、お客さまとスタッフの「非接触」を実現。10年前の「抗菌寿司カバー・鮮度くん」導入を起点とした、「安心で安全な環境を実現」する取り組みが、一旦完成しました。今後も更なる安全・安心の提供を目指し、サービス改善と新サービスの導入を目指します。
【ご参考】
導入から10周年、コロナ禍での業績回復を支えた、「抗菌寿司カバー鮮度くん」
コロナ禍においては、改めて「抗菌寿司カバー」への注目を高めることになりました。事実、多くのお客様より、「レーンに流れるお寿司を、安心して食べられる」、「くら寿司だから行きたい」というお声をいただいており、国内店舗における「過去最高売上・最高益」の実現に寄与したと考えています。
また「抗菌寿司カバー」は国内だけでなく、アメリカの業績回復にも貢献。第三者機関による検査の結果、「抗菌寿司カバー」がある場合、細菌の繁殖を1/7に抑える効果があることを証明。これにより、全米で最も厳しい規制が敷かれていたカリフォルニア州において、特例としてコンベアベルトの使用許可を得ることができました。
EMSL Analytical, Inc. Food Microbiology Analytical Report 2020年11月3日報告
「スシテナブル」チャレンジ⑥SDGs
漁業創生&お寿司の提供を題材にした「出張授業」を2021年11月よりスタート
2010年より取り組んできた漁業創生の取り組み自体に加えて、社会貢献活動の一環として、小学校を対象に、漁業創生とお寿司の提供を題材にした「出張授業」を、11月から実験的にスタートしました。「食品ロスの削減」や「豊かな海洋資源を守る」といったSDGsへの理解促進と、「食育」について、くら寿司らしく、子供たちに楽しく学んでいただくプログラムです。
今後はさらに内容のブラッシュアップを進め、来春から本格的に全国で開始する予定です。